内視鏡検査
内視鏡検査は、特に消化器系のがんの早期発見と早期治療に非常に有効です。食道、胃、十二指腸、大腸といった部位のがんは進行すると命に関わることが多い一方で、初期段階では自覚症状がほとんどない場合が多く見られます。そこで当院では、患者様に安心して内視鏡検査を受けていただけるよう、最新の内視鏡システムを導入しています。
– 最新導入機器 –
・ELUXEO7000システム
高出力4LED光源で多彩な観察モードを提供、炎症の診断や微小な病変の発見を支援する内視鏡システムです。
・特殊光観察モード
Multi-Light Technologyは、LEDやレーザー等の複数の光源を高精度に制御するとともに、画像処理を組み合わせることで、目的に応じた観察画像を作り出す技術です。BLI(Blue Light Imaging/Blue LASER Imaging)は、短波長狭帯域光の照射により得られる高コントラストな信号に対して画像処理を行い、血管や表面構造などの観察に適した画像を表示します。
・内視鏡洗浄消毒システム ENDOSTREAM(ESR-110)
過酢酸製剤を使用した高水準消毒、感染予防、履歴管理を支援する内視鏡洗浄システム。エヌサイド消毒液6%を20倍希釈した実用液は5分間の浸漬で高水準消毒が可能。過酢酸はアルデヒド基を含まないため、汚れ(有機物)の固着による残留がありません。薬液に触れずにワンタッチで交換できるカセットタイプ。空ボトルを自動洗浄し、交換時の過酢酸の臭いを低減します。アルカリ洗浄剤エンドフラッシュと超音波洗浄を使用した洗浄工程により、過酢酸の優れた消毒性能を引き出します。
・経鼻内視鏡検査
当院では、これまでのバリウム検査や経口内視鏡検査を使用し、さらに細い鎮静剤を使用しないで検査できる経鼻内視鏡検査も導入し、患者様により快適な検査が行えるよう努めています。検査機器はすべて最新型を導入し、胃炎や胃潰瘍、胃ポリープなどの問題点を的確に指摘しております。また、内視鏡カメラが挿入された際、苦痛を軽減し検査を円滑に行えるよう工夫しております。なお、従来型の内視鏡GIF-Q240X(外径9.3mm、先端9.4mm)よりも最新型のGIF-XP260N(外径5.5mm、先端5.5mm)を使用。
・大腸内視鏡検査
当院では、大腸がんやポリープを早期発見し、内視鏡による切除や治療を行うため、拡大内視鏡「EC-760ZP-V/M」を使用しています。この内視鏡は、16:9の26インチモニターで最大145倍の拡大表示が可能です。精密な検査を行うことで、より正確な診断と治療が期待できます。また、当院の大腸内視鏡検査では、硬度可変式の内視鏡を採用しており、患者様の負担を軽減する環境を整えています。検査中に内視鏡の先端の硬度を調整することで、挿入がスムーズになり、痛みや不快感を最小限に抑えることが可能です。安心して検査を受けていただけるよう、快適な検査体制を心掛けております。
– 経鼻内視鏡検査の特徴 –
●苦痛が少ない
内視鏡は、鼻にスムーズに挿入できる約5.5㎜の細さです。検査中の苦痛が少ないため鎮静剤の必要もありません。
●吐き気が少ない
内視鏡が舌のつけ根を通らず、のどに触れることもないので、吐き気(嘔吐反射)がほとんど感じずに検査を受けていただくことができます。
●会話もできる
検査中も会話が可能です。質問したいとき、気分を落ち着けたいときなど、医師と自由にお話ができるので安心です。
※もちろん鎮静剤をご希望の患者様には従来の経口内視鏡を行うことも可能です。また、耳鼻科手術を受けられた方、アレルギー性鼻炎の方、鼻孔の狭い方は経口による挿入が適している場合があります。ご予約の際は、ご希望の検査方法をお伝えください。
※注意点
・鼻の麻酔中や検査の際に、鼻の違和感もしくは痛みを感じることがあります。
・鼻が狭いため、スコープが挿入できないことがあります。
・検査の精度が従来型よりも劣る場合があります。
・経口挿入が無理な場合に限り、経鼻内視鏡を口から挿入して検査します。
・検査後に鼻血が出ることがあります。
ほとんどの場合は、鼻の圧迫などで簡単に止まる軽いものです。
・鼻血が止まらない方(抗凝固剤の治療中、肝・腎疾患をお持ちの)患者様には、内視鏡検査をお勧めしません。
・詳細な観察、難しい指摘が必要な場合、経口法による再検査が必要な場合があります。
■検査の手順
【前準備】
1)事前の注意と下剤・腸管洗浄液の服用
腸内を完全に空にするために、事前の注意や下剤・腸管洗浄液の服用などが必要です。
ご自宅またはご来院していただいてから、下剤を服用していただきます。
【実際の検査】
1)更衣室で検査衣に着替えていただきます。
2)大腸の動きに合わせ必要な場合、鎮静剤や鎮痛剤を使用する場合があります。
3)検査台の上で左を下に横になります。
4)医師が肛門部に潤滑剤を塗布後、肛門より内視鏡を挿入していきます。
※検査内容により組織の採取や、ポリープを切除することもあります。
【検査後】
問題がなくポリープも切除されない場合は、通常、検査後は食事摂取も仕事もほぼ可能です。
鎮静剤を使用された場合、麻酔が覚めるまでベッドでお休みの後お帰りいただいております。
※その他の注意事項
・普段お薬をデラミラというお薬(抗腫瘍薬)をお飲みの方。
・高血圧の方、その他持病のアレルギーがある方は前もってお知らせください。
・検査当日はなるべく車でのご来院はご遠慮ください。
可能であればご家族と一緒にご来院ください。
– 大腸内視鏡検査前の準備 –
大腸内視鏡検査は、大腸内に便が残っていると十分な観察ができません。検査の精度を高めるために、検査前日と検査当日に簡単な食事制限と下剤の服用が必要です。
■ご自宅で服用する場合
まずは受診していただき、診察後に検査について詳しくご説明いたします。その後、下剤をお持ち帰りいただき、検査前日よりご自宅にて服用していただきます。服用中に不安や異常がございましたら、遠慮なくお電話ください。
■当院で服用する場合
まずは受診していただき、診察後に検査について詳しくご説明いたします。検査前日はご自宅にて前日分の下剤を服用していただきます。検査当日は午前10時頃にお越しいただき、当日分の下剤を服用していただきます。その後、お昼過ぎより検査を行います。
<検査前日の食事制限について>
飲んでよいものは水、お茶、ウーロン茶、紅茶、炭酸飲料、スポーツ飲料です。牛乳や実のあるジュースは避けてください。食べてよいものは豆腐、卵、白身魚、すまし汁、コンソメスープ、具のない味噌汁、素うどん、かけそば、パン1-2枚、お粥1-2杯です。肉類や野菜類、海藻類、きのこ類、こんにゃく、ごま、とうもろこし、豆類は食べないでください。
<検査前日のお食事>
朝食は、通常通り召し上がっていただいて構いません。ただし、朝から水分を多く飲むようにしてください。
昼食と夕食は、上記の制限に従って召し上がり、夕食は午後9時までに済ませてください。就寝前(午後10時頃)に下剤をコップ2杯以上の水で飲んでください。水分を多く摂るほど、大腸の中がきれいになりますので、できるだけ多くの水分を摂取するよう心がけてください。
<検査当日の朝食>
お茶、コーヒー、スポーツ飲料、飴玉等で済ませてください。常用されている血圧や心臓の薬は通常通り服用してください。ただし、糖尿病の薬は服用しないでください。
検査当日は2000mlの腸管洗浄液(ポカリスエットのような味です)を、自宅もしくは当院にて1-2時間で飲んでいただきます。大腸がきれいになった時点で検査を行います。来院後、約4-5時間で検査ができます。